入院中に認知症の行動・心理症状(BPSD)を認めた場合のリハビリテーション医療に与える影響
第6回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会
要旨
【目的】
入院中に認知症の行動・心理症状(BPSD)を認めた場合のリハビリテーション医療に与える影響を調べた。
【方法】
2020 年 8 月から 2022 年 5 月までの間で退院した患者で認知症を合併していて入院中に認知症の行動・心理症状(BPSD)を認めた患者を対象とした。対象は①入院期間が 30 日以上、②住居が介護施設でない患者とした。
除外症例は入院中の死亡例とした。認知症の定義は DSM-5 の major neurocognitive disorder の診断基準に従った。入院中にせん妄、妄想、焦燥性興奮、徘徊、無気力、暴力行為などを認めたとき BPSD と考えた。リハビリテーション医療の効果は入院時の Functional Independence Measure(FIM)から退院時の FIM までの変化で検討した。
【結果】
入院中リハビリテーション医療を行い BPSD を認めた症例は 36 例であった。BPSD の薬を処方せずに退院時 PPSD が治った集団を Group(-/-):14 名(38.9%)、BPSD の薬を処方して退院時 BPSD が治った集団を Group(+/-):5名(13. 9%)、BPSD の薬を処方せずに退院時 BPSD が治らなかった集団を Group(-/+)5 名(13.9%)、BPSD の薬を処方して退院時 BPSD が治らなかった集団を Group(+/+):12 名(33.3%)とすると、退院までのGroup(-/-)、Group(+/-)、Group(-/+)、Group(+/+)の FIM の変化は 31.9±22.6、31.7±22.5、22.5±15.5、14.4±22.3 であった。
【考察】
いずれも統計学有意差はなかったが、BPSD に対しての薬を処方しても退院時 BPSD が治っていなければFIM の改善度は最も低かった。症例数を増やしさらなる解析が必要であると思われた。
