骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折のリスク因子
第96回日本内分泌学会学術総会
要旨
【目的】
骨粗鬆症は骨折のリスク要因となっている。今回骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折のリスク因子について検討した。
【方法】
2020 年 8 月 1 日から 2022 年 1 月 31 日まで当院に入院した患者で骨粗鬆症を合併している患者を対象とした。今回骨粗鬆症の定義として既に骨粗鬆症に対して薬剤を処方されている患者もしくは椎体骨折または大腿骨近位部骨折のある患者とした。
【結果】
対象症例は 176 名で、大腿骨近位部骨折のある患者は 106 名(60.2%)であった。平均年齢は大腿骨近位部骨折のある患者は 86.0±0.8 歳、大腿骨近位部骨折のない患者は 82.8±1.0 歳で有意差があった(p=0.0161)。糖尿病合併は大腿骨近位部骨折のある患者は 20 名(18.9%)で、大腿骨近位部骨折のない患者は 6 名(8.6%)で有意差があった(p=0.049)。骨粗鬆症に対して薬剤を処方されている患者は、大腿骨近位部骨折のある患者で 26 名(24.5%)、大腿骨近位部骨折のない患者で 30 名(42.9%)で有意差があった(p=0.0132)。平均 BMI(Body Mass Index(BMI)は、大腿骨近位部骨折のある患者で 19.7±0.4 で、大腿骨近位部骨折のない患者で 21.1±0.5 で有意差があった(p=0.0217)。多変了解析では糖尿病合併 (オッズ比: 1.35~11.31)(p=0.0094)、骨粗鬆症に対して薬剤を処方されているか (オッズ比: 0.22~0.87)(p=0.0189)が骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折に有意差をもって関連していることが分かった。
【考察】
骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折を防ぐために、骨粗鬆症に対して薬剤を処方されているかどうか、糖尿病を合併しているかどうかに注意することが必要な可能性が示唆された。
