認知症の行動・心理症状に対する薬剤を処方した場合のリハビリテーション医療に与える影響
第60回日本リハビリテーション医学会学術集会
要旨
【目的】
入院中に認知症の行動・心理症状(BPSD)を認めた際、BPSD の薬剤を処方した場合のリハビリテーション医療に与える影響を調べた。
【方法】
2020 年 8 月から 2022 年 5 月までの間で退院した患者で認知症を合併していて入院中に認知症の行動・心理症状(BPSD)を認め BPSD の薬剤を処方された患者を対象とした。対象は①入院期間が 30 日以上、②住居が介護施設でない患者とした。除外症例は入院中の死亡例とした。認知症の定義は DSM-5 の major neurocognitive disorder の診断基準に従った。入院中にせん妄、妄想、焦燥性興奮、徘徊、無気力、暴力行為などを認めたとき BPSD と考えた。リハビリテーション医療の効果は入院時の Functional Independence Measure(FIM)から退院時の FIM までの変化で検討した。
【結果】
入院中リハビリテーション医療を行い BPSD を認め、BPSD の薬を処方した症例は 23 例であった。BPSD の薬を処方した集団の中で BPSD の薬をやめて退院時 BPSD を認めた集団を Group(+/+)、BPSD の薬をやめて退院時 BPSD を認めなかった集団を Group(+/-):5 名(21.7%)、BPSD の薬をやめなくて退院時 BPSD を認めなかった集団を Group(-/-):5 名(21.7%)、BPSD の薬をやめなくて退院時 BPSD を認めた集団を Group(-/+):13 名(56.5%)とすると、Group(+/-)は 0 人で退院までの Group(+/-)、Group(-/-)、Group(-/+)の FIM の変化は 35.6±25.8、27.8±20.9、14.4±22.3 であった。
【考察】
いずれも統計学有意差はなかったが、退院時に BPSD の薬をやめれなくて BPSD が治っていなければ FIM の改善度は最も低かった。
