嚥下機能障害の悪化に与える因子
第28回日本緩和医療学会学術大会
要旨
【目的】
緩和医療の関りにおいて、なるべく長期間経口で食事をとれることも患者の QOL に関わる重要な因子であると思われる。当院の入院患者で嚥下機能障害の悪化に与える因子を考察した。
【方法】
2020 年 8 月から 2022 年 10 月までに当院で退院した患者で、嚥下障害を認め嚥下リハビリテーション診療をされた患者を対象とした。嚥下障害の定義は①反復唾液嚥下テストで空嚥下が 2 回以下、もしくは②改定水飲みテストで 4 点以下の患者を対象とした。ただし①入院中に死亡した患者②嚥下リハビリの介入が 14 日間以下の患者③既に胃瘻が作成されている患者は除外する。
嚥下機能が悪化しているかどうかは介入時の Functional oral intake scale (FOIS)と退院時の FOIS の差で評価した。
【結果】
対象症例は 70 症例。FOIS が悪化した症例は 12 例(17.1%)であった。男性が 29 名(41.4%)で平均年齢は85.6±1.1 歳。平均 Body mass index(BMI)は 19.8±0.4 kg/m2 であった。FOIS の悪化に影響を与えた因子は①性別(P value: 0.045)②退院時の運動 Functional Independence Measure(FIM) (P: 0.049)③ 退院時の総合FIM(P:0.033)④ 退院までの運動 FIM の変化量(P:0.0005)⑤ 退院までの認知 FIM の変化量(P:0.0324)⑥ 退院までの総合 FIM の変化量(P:0.0137)であった。この 6 因子で多変量解析をするとどれも有意差がなかったが退院時の運動FIM(P:0.0504)が最も効果があるように思われた。
【考察】
FOIS が悪化していくのを防ぐには退院時の運動 FIM の改善が特に必要であると思われたが、統計学的有意差はなかった。症例数を増やしさらなる解析が必要であると思われた。
