医療法人社団岡田会

メニュー

Yamanobe Hospital
2023.06

重度認知症患者の死亡1週間前からの症状、対処法についての検討

第28回日本緩和医療学会学術大会

田原一樹

要旨


【目的】

 重度の認知症の終末期には様々な苦痛症状が生じる。実際にどのような症状が生じ、どのように対処し、また死因によってどのような症状が生じているか考察する


【方法】

 2020 年 8 月に当院に入院し、2022 年 10 月までに当院で死亡した症例で入院期間が 1 週間以上の症例で死亡 1 週間前の症状などを解析した。その症例の中で重度の認知症を合併した症例を対象とした。認知症の定義はDSM-5 の major neurocognitive disorder の診断基準に従った。重度の認知症は Cognitive Performance Scale(CPS)で 5 点以上の症例とした。


【結果】

 対象症例は 54 例で死亡時の平均年齢は 88.2±1.2 歳で女性が 37 名(68.5%)であった。当院入院前は介護施設であった症例が 37 名(68.5%)で最も多かった。平均在院日数は 105±15 日であった。呼吸困難が最も多い症状(100%)で次に不穏(44.4%)であり疼痛は 5.6%であった。呼吸困難は酸素投与(98.1%)や吸引(96.3%)で最も多く扱われていて、不穏では非薬物療法(83.3%)、疼痛でも非薬物療法(66.7%)で最も多く扱われていた。またアパシーを 49名(90.7%)合併していた。死因でうっ血性心不全が 23 名(42.6%)で最も苦痛症状に関連していた。


【考察】

 重度の認知症の終末期では呼吸困難が主な苦痛症状であった。ただ重度の認知症の患者で疼痛症状をほとんど認めなかった。ただアパシーを合併している症例が多く、症状評価が困難な場合も多々あると考えられる。不穏など合併した場合の症状評価が今後の課題になるとも考えられる。

前のページへ戻る

-

採用情報

採用情報