嚥下機能障害のリスク因子
第62回日本リハビリテーション医学会学術集会
要旨
【目的】
当院に入院した患者で嚥下機能障害のリスク因子を考察した。
【方法】
2020 年 8 月から 2024 年 9 月までに当院を退院した患者で、嚥下リハビリテーションの介入をされた患者を対象とした。嚥下障害の定義は①反復唾液嚥下テストで空嚥下が 2 回以下、もしくは②改定水飲みテストで 4 点以下の患者を対象とした。ただし①入院中に死亡した患者②嚥下リハビリテーションの介入が 14 日間以下の患者③既に胃瘻が作成されている患者は除外する。
【結果】
対象症例は 191 症例。嚥下機能障害を認めた症例は 147 例(77.0%)であった。女性が 117 名(61.3%)で平均年齢は 85.6±10.0 歳。平均 Body mass index(BMI)は 20.0±3.4 kg/m2 であった。嚥下機能障害のリスク因子は単変量解析で①年齢(p<0.001)②性別(女性) (p:0.005) Functional Independence Measurement (FIM)( ③ 運動項目)(p<0.001) FIM( ④ 認知項目) (p<0.001) HDS-R (p:0.006,) MMSE(p:0.033,) Clinical frailty scale(p:0.033) ⑤ ⑥ ⑦ であった。嚥下機能障害のリスク因子は多変量解析で①年齢(p: 0.024 OR 1.28:95%CI 1.03-1.79)②入院時の FIM(運動項目) (p:0.002 OR 0.75 95%CI 0.51-0.93)であった。入院時の嚥下機能障害を予測するためのカットオフ値は、年齢の場合 81 歳(AUC=0.72、95%CI: 1.06-1.15)および FIM(運動項目)の場合 19 点 (AUC=0.78、95%CI: 0.89-0.95) で
あった。
【考察】
多変量解析では年齢や FIM(運動項目)が嚥下障害に関連があったが、単変量解析では FIM(認知項目)やHDS-R など認知機能が関連もあったため、嚥下障害には多職種による介入が必要と考える。
