医療法人社団岡田会

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Yamanobe Hospital
2026.05

メニエール病間歇期における活動回避が定着した症例に対する前庭理学療法の経験ー身体機能向上を実際の活動・参加へ繋げるための介入の検討ー

第5回 日本前庭理学療法学会学術大会

的場 知美

【目的】 メニエール病はめまいへの不安から過度な安静や活動回避を招き、生活範囲の狭小化が課題となる。本報告の目的は、趣味や外出を制限していた症例に対し、前庭理学療法を通じて身体能力向上と実際の活動・参加へ繋げるための介入について検討することである。

 

【方法】 症例は発症後8ヵ月経過した50代男性。主訴は運転への不安とゴルフ等を行えないことであった。当初は「頭を動かすと悪化する」や運動に消極的な「無関心期(前熟考期)」であった。前庭リハは3ヵ月間、週1回個別介入と自宅での自主練習指導を実施した。個別介入では日常生活において過剰な回避行動を行わないことに重点を置いて面談を実施した。介入効果を判定するため初回と介入終了時に評価を実施した。評価項目はDizziness Handicap Inventory(DHI),Vestibular Activities Avoidance Instrument(VAA-9),Functional Gait Assessment(FGA)重心動揺検査とした。

 

【結果】 3ヵ月間の介入は完遂し、自宅での自主トレの遵守率は85%であった。介入前後でFGAは24点から30点へと改善した。一方、DHIは48点から44点、VAAI-9は33点から34点であった。平衡機能は、開眼矩形面積は5.86cm²から4.32cm²、開眼総軌跡長は57.76cmから63.99cm、閉眼矩形面積は4.31cm²から8.74cm²、閉眼総軌跡長は59.94cmから69.48cmであった。発言内容は当初の懐疑的なものから、後半は「頭を動かすのが気にならなくなった」「少し運動してみようかな」と若干肯定的に変化し、関心期へ移行する様子が回避行動の改善には至らなかった。

 

【考察】 自主トレの遵守率は比較的良好であったが、主観的なめまい感と身体機能の変化は限定的であった。VAAI-9の結果から回避行動の改善に至らなかったことが要因の一つと推察される。恐怖心など心理面へ介入し、早期に成功体験を積み重ねる関わりを行うことが活動・参加の改善へ繋がったのではないかと考える。

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